シングルマザーを選ぶとき。



ここでは、アメリカのSMC団体の創始者、ジェーン・マテスが書いた「シングルマザーを選ぶとき」(ジェーン・マテス著、鶴田知佳子訳、草思社)から、これは!というフレーズをピックアップしてご紹介します。(もちろん著者の許可なんてもらってないのでこっそりです(汗))

*原書ではサブタイトルが"A Guidebook For Single Women Who Are Considering or Have Chosen Motherhood"(母親になる道を検討中かあるいは決意したシングル女性のためのガイドブック<manamiてきとー訳)となっていてばりばり当事者向けですが、日本語訳版はSMCの生き方のエッセンスを紹介するような感じにつくられています。(訳者はSMC当事者ではないし、帯のコピーは「?」なんですけどね、当事者にとっては・・・(^_^;)。一般向けにしないと売れないと思ったからか、それとも日本には当事者なんていないと思われたからか・・・(大汗)。





 シングルマザーズ・バイ・チョイス 


「私達の仲間はみなどこかの時点でシングルマザーという生き方を選択していた。最終的に<シングルマザーズ・バイ・チョイス>が、私たちをもっともよく表す名称として選ばれた。つまり、独身の女性で母親になることを選択した人、心身の成熟した大人の女性で責任感にあふれ、シングルマザーになることで被害者意識をもつのではなく、むしろ力づけられたと思っている人たちのことだ。」


* manami's comment *
ほんとうに、よくできた名称だと思いますです。わたしもバイ・チョイス、つまり自ら選択した、そのことに誇りを持っています。シングルマザーに「なってしまった」でも「なるしかなかった」でもなく、「なりたくてなった」のです。だからかわいそうと思われることは心外なのです。ま、そう思われがちなことも覚悟の上でなってますけど(笑)。





 定義 


「SMCとは、みずからの意思で伴侶なしに子どもを育てはじめる女性のことであり、その後結婚するしないは別として、当初は一人で親になる女性を指す。この定義には、未婚のカップル(異性どうし、同性どうしの別なく)は含まれていない。なぜなら、彼らは法的に結婚していなくても共同で育児にあたっているからである。またこの定義には、結婚しているときに母親になり、のちに未亡人になったり離婚したりした女性も含まれない。」


* manami's comment *
死別はともかく離婚なら「選択」ってこともあるんでは?という意見もありますが、どうしてもそこまで広げすぎるとSMCとしてくくる意味がなくなっちゃうのよね・・・。なぜなら、独身でまだ子どももいない女性がひとりで産み育てるという選択は、まだまだ世間からは理解されにくい特異なものだからです。離婚よりも、事実婚よりも、ね。まぁこういったカテゴリー分けは、自己申告ですから。自分でSMCだと思うならそれもよしと思いますけどねえ。納得のいかない人もいるかも。(^_^;





 どんな人たち? 


「SMCのなかには一度も結婚したことのない人もあれば、離婚したり未亡人になったりした後でシングルマザーになった人もいる。人種や宗教はまちまちであり、社会的、政治的な立場も多岐にわたっている。多くは異性愛者であるが(おそらくレズビアンの母親たちはカップルで育児をすることが多いからだろう)、同性愛者もいる。経済的に豊かな人もいるし、苦労してなんとか生計を立てている人もいる。言いかえれば、会員たちは世の中の女性をまんべんなく代表しているのだ。ただ、共通しているのは、母親になりたいという願いと、一人の親がたっぷり愛情を注げばよい子を育てることができるという信念である。」


* manami's comment *
シングルマザーなんてフリーライターとか大学の先生とかとにかくバリキャリな人たちがなるもんなのよ、というイメージは今でもあるのでしょうか(笑)。実際には本当にいろいろな人がいるし、必要なのは心意気だけだとわたしも思います。レズビアンマザーについては、わたしも上の記述どおりの印象を持っているのですが・・・これも探せばいろんな人がいるのかもしれません(笑)。





 考えるべきこと 


1 自分の人生が納得のいくものになるために不可欠である個人的な目標および職業上の目標を、すべて成し遂げているか。まだ達成していない、重要度のやや低い目標のいくつかが今後達成できなかったとしても、それで良しと思えるか。
2 世間にはSMCに批判的であったり反対する人がいるとわかっていても、SMCに肯定的な気持ちを保ちつづけられるか。
3 自分と子どもを支えていける気持ちの安定と経済的な安定を、ある程度得ているか。
4 経済的な援助や身辺の手助けを必要とするような高齢の親がいるか。もしそうならどのように面倒をみるのか。親の世話と子どもの世話の板ばさみになる恐れはないか。もしそういう事態になったらどう対処するのか。
5 なぜ人生のこの時点で伴侶がいないのか、自分なりに納得できているか。そのことはあなたと子どもとの関係に将来どんな影響を及ぼすだろうか。
6 あなたが必要と感じていることのうち、何が子どもによって満たされるもので、何が伴侶によってしか満たされないものか、明確に整理できているか。
7 ストレスとどう向きあっているか。解消法を身につけているか。母親になって一、二年はかなりストレスがたまるだろうが、いまのストレス解消法で切り抜けられるだろうか。
8 自分と子どものために十分な支援体制を確立できるように生活を変えられるか。助けてくれる人たち(友人、親戚、隣人、その他)や地域のなかでの支援組織(キリスト教会、ユダヤ教会、あるいはその他の宗教団体、学校、職場、その他)に、困ったことがあったとき相談できるだろうか。
9 愛する伴侶とのあいだの子を得たいとこれまであなたが思ってきたとしたら、シングルマザーという生き方に納得がいくか。また将来、子どもに、この決定を自分で選択したのだと伝える自身の姿を想像できるか。
10 自分の授かる赤ちゃんが、それまで夢に描いてきたものとはちがうかもしれないという事実を受け入れられるか。赤ちゃんの基本的な気性や人格について、あなたにはほとんど、あるいはまったく決定力がないのだ。自分で産むかもらうかして授かった子どもがどんな子であったとしても、受け入れられる抱擁力があるか。


* manami's comment *
こういう人ならSMCになれる!10ヶ条、じゃなくて、SMCになろうか迷っている人がしっかり自分の内面を見つめるために考えるべきこと10項目、なのです。すべてに明確な答えが出せなくてもいい。けど、SMCなら必ず考え続けるべきこと。んまぁ、本当はすべての子を持つ親が考えるべきことだと思うけどね〜。









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